トリュフは世界の3大珍味の1つとして珍重される
食材で『台所のダイアモンド』の異名を持っています。
フランスや北部イタリアで日常の料理にも使われる
他、世界中の高級レストランなどでグルメ達を唸らせ
ています。
日本でも最近はトリュフを使ったレストランを
見かけるようになりましたね。
加工品のトリュフ塩や、トリュフ風味のポテト
チップスなどもありますね。
ゴツゴツとした石のような形をしたトリュフは
形も大きさも不ぞろいで、一見食べ物には見えない
感じもしますが、実はマッシュルームの一種です。
トリュフには色々な種類があって、主に南フランス
で採れるトリュフは黒トリュフ、またはペリゴール産
トリュフと呼ばれます。
他には白トリュフや秋に採れるブルゴーニュトリュフ
などがあります。
イタリアのピエモンテやトスカーナ地方の白トリュフ
も有名ですね。
トリュフはその香りで世界中のグルメを魅了して
いますが、全てのトリュフにあの強い香りがある
わけではありません。
黒トリュフとペリゴールトリュフは石灰質の土壌
にしか育ちません。トリュフィエと呼ばれる木の下
の1~15cmの土中にあります。
トリュフは春頃に生まれて、8月中旬ごろから成長
しはじめます。
(トリュフィエというのは木の名前ではなく、トリュフ
がその根っこ近くに育つ木々の総称で、ヘーゼルナッツ
やナラの木、シナの木(菩提樹)の木などがあります)
【収穫】
地中浅くにあるトリュフは、通常、犬や豚の嗅覚を
使って採取されます。
昔は豚が使用されていたそうですが、現代では
訓練された犬の嗅覚を使って収穫されます。
トリュフは見つけるのが困難ということが特色
なのですが、さらに収穫を難しくしているのが
なんと『犬』なのです!
犬の嗅覚が頼りなのですが、その犬は実はトリュフ
が大好物で見つけた途端にガブリと食べてしまう
のです。
ですから、犬が見つけたと見るや、すぐに人間が
トリュフを奪わないと犬に食べられてしまいます。
犬と人間がトリュフをめぐってバトルをしながら
の収穫はとても骨が折れるものなのです。
【トリュフの歴史】
紀元前2600年ころのエジプトでトリュフがすでに
食されていたという記述が残っているそうです。
その後、ローマ時代はトリュフについての記述
がある文献が無いようですが、14世紀フランス
から再び脚光を浴びるようになりました。
きっとルイ王朝の時代の晩餐にはトリュフを食す
王族貴族がいたのだと想像できます。
◆トリュフはなぜ高価か?
トリュフの人工栽培は大変難しく、自然にできたもの
も、量産できないという側面があります。
また、収穫のために見つけること自体が、とても
難しいので希少価値が出てくるわけです。
その上、トリュフは土の中で腐りやすいため栽培が
非常に難しく、成長するのに5~6年もの期間を
要すると言われています。
トリュフは1キロ20万円ほど(1500€)で取引される
たいへん高価な食べ物です。50グラムで5千円(45€)
もしますから、まさに珍味としていただくのが
ぴったりですね。
しかし、品質によって値段もピンからキリまである
ので、品質にそこまでこだわりがなければ、今は
中国産のトリュフも流通していますから、安価に
手に入れることができます。
トリュフは高価で特有の香りがあるため、大量に
料理に用いるというよりも、フィレステーキの上に
フォアグラとトリュフをトッピングしたロッシーニ
ステーキなどが有名ですね。
また、白トリュフは一般にスクランブルエッグやパスタ
などの上に生のまま削って振りかけて供されることが
多いです。
トリュフを薄切が載っているだけで、部屋中が
その香に包まれるほどの芳香ですから、好きな
人にはたまりませんね。
でも、香りが強いので好き嫌いも別れる食べ物
です。
トリュフを食べる機会がありましたら、収穫に
まつわる苦労や犬が働いている様子も思い浮か
べると、いっそう美味しくいただけそうです。
せこぴん
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