フランス料理は日本人でもギョッとするような
食材を使います。
たとえば、カエルや牛や羊の脳みそなど、料理
されてもそのままの形で出てくるのでちょっと
ビックリしてしまいます。
そんなフランス特有の食材の中でも、なぜこれを?
と思ってしまうものがエスカルゴではないでしょうか。
いくら何でもカタツムリを食べようとは普通は
思いませんよね?
でも、エスカルゴはビストロでは定番のメニュー
ですし、普通のスーパーでも冷凍食品コーナーに
かならずあります。
すでに調理されてハーブバターが載っている状態
で売られていますから、主婦の手抜きご馳走メニュー
と言えると思います。
今回は、そんなエスカルゴについて調べてみました。
【エスカルゴの歴史】
エスカルゴはフランスのブルゴーニュ地方の
スペシャリテとして有名ですが、実はポーランドが
原産と言われています。
では、なぜエスカルゴと言えばブルゴーニュ産と
言われるほど有名になったのでしょう。
これには理由があり、実話として語り継がれて
います。
◆苦肉の策で出した料理
ブルゴーニュでエスカルゴ料理が誕生したのは
1814年、アントナンカレム(Antonin Carême)という
レストランでのことです。
その日、ナポレオンの側近の一人であるタレランド元帥が
ロシアのアレクサンドル皇帝1世と昼食を共にする予定
でした。
ところが、アレクサンドル皇帝のレストランへの到着
が遅れ、調理場には提供できる肉が無くなってしまった
のです。
そこで、庭にいるカタツムリを取ってきて、肉料理の
代わりに提供したのです。
味を隠すのにニンニクをたくさん使い、見た目を
ごまかすためにパセリも大量に使いました。
そして、飲み込みやすくするために、やはり大量の
バターを使ったのです。
この苦し紛れに供された料理が、アレクサンドル皇帝の
大のお気に入りになり、のちに“Escargots de Bourgogne”
(ブルゴーニュのエスカルゴ)として有名になったのです。
【フランス産のエスカルゴは希少】
世界中で最もエスカルゴを食する国民は、もちろん
フランス人です。
クリスマスのディナーやお祝いなどでご馳走を食べる
機会にエスカルゴが出てくることが多く、老若男女
問わず人気の料理です。
ですが、フランス人の消費量を賄うだけのエスカルゴ
は、フランスでは生産できません。
多くはトルコや他のヨーロッパ諸国からの輸入品です。
需要が高いのに、なぜフランスで飼育生産しないので
しょうか?
1つ目の理由は、乱獲を防ぐためです。
カタツムリの捕獲は1979年に定められた法律で厳しく
制限がかけられています。
捕獲の時期が決められていたり、3㎝に満たないものは
獲ってはいけないことになっています。
エスカルゴとして食用にされるカタツムリの生育は
とても長い年月を要します。
もし、自然の中で生育するカタツムリを食用にできる
大きさまで育つのを待つとすると3年から5年もかかる
のです。
養殖すると、これが4~5か月まで短くできますが、
それでも大変手間のかかる作業になります。
エスカルゴは日照時間や湿度など、育つ環境が
重要なデリケートな生き物なのです。
2つ目の理由は、ずばり「費用対効果」です。
先の説明のように、とても時間と手間がかかるのに
全く儲からないのです。
そうは言っても、ブルゴーニュのスペシャリテの
エスカルゴが、まったく生産されないわけではあり
ません。
昔ながらの生育方法で、手作業でワイン畑などで
飼育しています。
その貴重で美味しいエスカルゴはどこに行くのかは
おわかりですよね。
流通はせず、ブルゴーニュの生産者さんたちの
胃袋にブルゴーニュワインとともに収まるのです!
【エスカルゴの栄養価】
エスカルゴは高たんぱくの食べ物で、他の栄養素と
してマグネシウム、オメガ3、カルシウム、ビタミンC
が豊富です。
また、タウリン、鉄、亜鉛なども含まれていますので
期待される健康効果としては、肝機能を高めたり、貧血
の改善、骨の強化、糖尿病や動脈硬化の予防などが
挙げられます。
熱々のパセリにんにくバターでグツグツ煮えた
エスカルゴを香ばしいパンと口に入れ、ワインで
流し込むと、、、もう何ダースも食べられます。
しかしながら、エスカルゴは大抵たっぷりのバターと
ともに調理されていますので、摂取量には注意も
必要かもしれませんね!
せこぴん
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